こんにちは!
佐川です!
今回は脚長差(きゃくちょうさ)について解説していきたいと思います。
記事のポイント
- あしの長さが違う=骨盤が歪んでいるという訳ではない、むしろそれは間違い
- あしの長さの左右差がある場合は多くの原因がある
- あしの長さの違いは股関節の硬さと脊柱の柔軟性の問題が多い
脚長差っていう言葉は普段聞かないと思います。
ですが、実はみなさん違った言葉でこれについて意識をさせられています。
「あしの長さが違いますね〜、骨盤が歪んでるんですね〜」
はい、決してバカにしてないです笑
患者さんに、「骨盤が歪んでると言われたんです」とたまにいわれることがあるのですが、骨盤が歪んでることはまぁないです笑
ではなぜ「あしの長さ」の左右差が出てしまうのか?
それにはカラダのうまい仕組みが関係しているのです。
それでは詳しく解説していきます!
目次
脚長差とは?
脚長差(leg length differenceまたはleg length discrepancy)とは、左右の下肢長の差、または、下肢の発育の差を示す。すなわち、左右の下肢長を計測し、差が認められる場合、脚長差が存在すると判断される(1)
簡単にいうと足の長さの左右差ですね。
この脚長差というのは、理学療法士が測定することもあります。学生の時も実技試験がありました。
ちゃんと測定の方法もあるので、もし気になる方は相談してみるといいと思います。ですが、左右差があっても1cm程度がほとんどだと思います。
この測定は仰向けで、メジャーで測定することが多いのですが、一番の問題は「立った時に足の長さに差がある」これが色々な問題を起こしてきます。
足の長さがそもそも違う原因としては、単純に「左右の足で発育が違う」という事が考えられますが、こういった方は整形外科で働いていてみた事がないです。ですが以下のようなことで、差が出る事があります。
- 膝が曲がってる
- 股関節や膝関節が変形している
- 股関節の柔軟性が悪い
- 脊柱の柔軟性が悪い
こういったことでも脚長差が出ることがあります。
例えば、片方の膝を怪我して動かさなくなり、膝を曲げたまま硬くなってしまった場合、立った時左右差が出るのがわかると思います。
みなさんも是非やってみてもらうとわかりやすいと思いますが、この時骨盤が傾いてしまいます。これが癖になると、仰向けに寝た時も骨盤が傾いてしまっているので、足の長さが違うように見える訳です。
股関節や膝関節で起こる変形性関節症でも同じことが起こります。膝の場合だとO脚といわれる状態にもなるため、なおさら骨盤に左右差が出来てしまいます。ですが、このO脚などもカラダのバランスを取った結果で起こっていることがほとんどです。まぁこの話はまた違う機会にでも。
他にも股関節が開かないなどの柔軟性が悪い方も骨盤の傾きが起こります。骨盤に付いている筋肉が多いため、そのようなことが起こります。
また、見落としがちなのが脊柱の柔軟性です。
脊柱の柔軟性に左右差があるとその分、骨盤の傾きで代償をしてバランスを取ろうとするので、足の長さに影響するわけです。
これは若者にもみられることがある「側弯症」や「変形性腰椎症」などの疾患でみられることが多いですが、何も症状がない人でも左右差はもちろんありますのでチェックしてみてください。

この上の図でもなんか脚長差があるように見えますね!
脚長差の修正
本人が足の長さの違いを感じることを自覚的脚長差といいます。
この自覚的脚長差は、構造的なものより機能的なもので感じるという風にいわれます。
つまり、足がほんとに短くなっているというより、背骨の左右差などによる骨盤の傾きによって起こる機能的なものの方が、本人の脚長差を感じやすいということです。
その中でも、股関節の開いたり閉じたりする硬さや脊柱の柔軟性が影響している可能性が高いという報告があります。この股関節や脊柱の柔軟性に左右差ができてしまうと、骨盤が傾斜してしまうというわけです。
これらのような機能的なものならば修正は可能となってきます!
是非お試しください。
脚長差改善の股関節の柔軟運動
httpss://www.youtube.com/watch?v=EeLjjzwnM2g
外側のストレッチは、上半身から下半身まで全身をストレッチすることができます!
内側のストレッチはあまりやりすぎるとひざ痛が生じてしまう場合があるのでご注意くださいね。
脚長差改善の脊柱の柔軟運動
脊柱の柔軟性を評価するための動画ですが、最後のポジションで止めておけばストレッチにもなりますので、左右差を確認して、硬い方をストレッチをやってみると良いと思います。
あと気をつけるポイントとして、腰椎はあまり無理はせずに、胸椎を中心に、または意識してストレッチしてあげると変に痛めてしまうということがすくなります。
さいごに
今回は脚長差の改善方法を解説しました。
もちろん、背骨が捻れてしまって固まっている場合は補高(ほだか)といって、靴底を高くして調整することもあります。
あしの長さが違うと言われて気になっている方は是非お試しください!
上記の方法で痛みが出る場合はすぐやめてください。
また、加減も大事なので少しずつ行うようにしましょう!
それでは(*^ω^*)
文献・書籍
- 菅原憲一:理学療法ジャーナル,44巻3号,2010
- 中野渡達也,ほか:人工股関節置換術後の機能的脚長差が健康関連 QOL に及ぼす影響─パス解析を用いた障害構造モデルの検討─,理学療法学,2015

佐川 修平

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