こんにちは!
「これだけは知っておいた方がいい!」シリーズです!
今回は軟骨損傷に対する手術についてざっくり書きます!
目次
関節軟骨について
関節軟骨は、荷重緩衝としての機能や関節運動じの骨と骨との摩擦を軽減し、円滑な動きを生み出す役割があります。
軟骨の厚さは約1mmから最も厚い膝蓋軟骨で5mm程度になるそうです。
関節軟骨は軟骨細胞と軟骨基質からなります。軟骨基質の構成成分の違いによって線維軟骨、弾性軟骨、硝子軟骨に分けられます。
ちなみに関節軟骨は硝子軟骨で、血管、リンパ管、神経を有しません。
関節軟骨は、
- 表層
- 中間層
- 深層
- 石灰化層
の4層に分けられ、各層で特徴的な形態分布をしています。軟骨細胞の密度は、表層が一番高く、深層にいくほど低くなります。
関節軟骨の下にはもちろん骨実質があるわけですから、関節軟骨があるのとないのとでは大きく変わってきます。
関節軟骨損傷に対する手術について
手術の方法は、大きく分けて3種類に分けられます。
- 骨穿孔術(microfracture)
- 骨軟骨移植術
- 自家培養軟骨細胞移植術
骨穿孔術(microfracture)
適応は、軟骨下骨層に達する軟骨損傷で、大きさは主に0.5〜3.0㎠程度のものになります。
手術としては、鋼線などを用いて、穴(骨穿孔)をあけて、出血を確認して終了となります。
つまり、多分化能をもつ幹細胞を含んだ血液をわざと出血させることで、軟骨を修復させるのが目的!
自家骨軟骨移植術
傷んでない他の関節軟骨から、移植する手術になります。
採取場所は主に、
- 大腿骨外側顆部辺縁
- 大腿骨内側顆部辺縁
- 顆間部周辺
になります。
40歳以下で限局性の1〜4㎠の大きさの軟骨/骨軟骨欠損が適応になります。
主な適応疾患は、
- 離断性骨軟骨炎
- 骨軟骨骨折
- 靭帯や半月板損傷など外傷後の軟骨欠損
になります。
手術器具はmosaicplastyやOATSなどが使用されます。
また、2㎠以下の軟骨欠損に対してはmicrofracture法で対応することも多いようです。
採取部位の侵襲があるため、まずは骨穿孔を考える必要があります。
自家培養軟骨細胞移植術
正常軟骨を取り、培養し、再度軟骨欠損部に埋め込み、他部位の骨膜を被せます。
ここ数年でかなり有名になってきました。
あまり、一般には広まっていないと思いますが、今後どんどんこういう技術が出てくるのではないでしょうか。
さいごに
まだ軟骨損傷に対する主流は骨穿孔術か、自家骨軟骨移植になると思います。
侵襲をなるべく避けるため、第一選択は骨穿孔術になるかと思います。
ちなみに損傷すると軟骨は絶対治らないといわれますが、血流があれば増殖することは可能です。
骨穿孔術はこれを利用しています。
軟骨損傷に対する手術についてでしたー
それでは(*゚∀゚*)
参考書籍・文献
- 機能障害科学入門
- 下肢の鏡視下手術ー基本手技の実際と応用手技のコツー

佐川 修平

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