肩こりや背部痛はどこからの痛み?肩こりの種類と類似疾患について解説!

こんにちは!
佐川です!

言わずもがな、「肩こり」というものは整形外科の中でとても有訴率が高い疾患になります。

肩こりに関しては明確な定義があります。
日本整形外科学会主導「肩こりの研究」プロジェクトにより高岸らが提言しています。

「頚より肩甲部にかけての筋緊張、重圧感、および鈍痛」

参考文献1

ざっくりです。

実際には、指で指し示してもらったり細かく確認する必要があります。

もうお分かりかと思いますが、頚部痛や肩こりは様々な要因が絡んできます。
実際にどんな要因があるかを確認していきましょう!

頚部痛、肩こりの痛みの要因

  • 頚椎
  • 椎間板
  • 椎間関節
  • 神経根
  • 頚椎外傷
  • 頚部筋群
  • 姿勢や生活習慣

これらが主な要因になります。

あくまでも「どこで痛みが起こっているか」の話になります。
ホントの原因は足からだとか、眼精疲労からだとかそういう話ではないのでご注意ください。

詳しく解説していきます。

頚椎が要因になりうるのは想像に難なくないと思います。関節を形成しているし、神経を守っていることから当然です。

椎間板では、前根より分布する脊椎洞神経や交感神経交通枝が分布しています。椎間板内部には、実際に神経終末が存在しませんが、変性や外傷が加わることにより神経週末が椎間板内部に侵入することが報告されています。
ですが、無症候性のものでも椎間板変性は高頻度に認めるため、椎間板が原因だと診断をするのは難しいといわれます。
椎間板が原因だとされるものには、椎間板が神経根などを圧迫する、頚椎椎間板ヘルニアなどがありますね。

神経根症では上肢痛が出現する前から肩こり・肩甲帯周囲の痛みを自覚している方が多いといわれます。環軸椎不安定症などに関連するC2神経根障害は大後頭神経刺激症状を誘発し後頭部痛の原因になり得ます。

肩こりの鑑別疾患

疾患を絞り込むために行う診断を鑑別診断といいます。

セラピストが実際に診断はできないですが、ある程度の知識を持っておくのは大事です。肩こりの症状を呈する疾患としては以下のようなものがあります。

  • 頚椎症
  • 頚椎症性神経根症
  • 頚髄症
  • 頚椎椎間板ヘルニア
  • 頚椎後縦靭帯骨化症
  • 感染性脊椎炎
  • 転移性脊椎腫瘍
  • 原発性脊椎腫瘍
  • 関節リウマチ
  • 体軸性脊椎関節炎
  • リウマチ性多発性筋痛症
  • 頚椎骨折
  • 破壊性脊椎関節症(透析脊椎症)
  • 筋筋膜性頚部痛および本態性肩こり
  • 肩関節疾患(肩関節周囲炎、腱板断裂、変形性肩関節症、胸郭出口症候群など)

めちゃくちゃありますね。
さらに肩こりなどは精神的ストレスなどのうつ病などとも関与しています。

そのほかにも眼精疲労、心血管系障害、顎関節症なども肩こりを引き起こす要因となります。

つまり肩こりには、他に考えられる疾患や原因が数多く存在しますよということになります。
セラピストとして介入するには、様々な要因を考える必要があることが分かります。

背部痛について

肩こりから背中までの痛みを訴える方もいます。
ですが、実際に単発での背部痛を訴える方は非常に少ないです。

それどころか、背部痛の症状にも様々な疾患が隠れています。

  • 硬膜外血腫:急性発症
  • 転移性脊椎腫瘍
  • 炎症性疾患(化膿性脊椎炎・リン酸カルシウム結晶沈着症)
  • 硬膜動静脈瘻
  • 胸椎椎間板ヘルニア
  • 脊柱変形による背部痛
  • 脊椎係留症候群(成人期)

これらもセラピストでは対処ができない疾患が名を連ねています。
ですが、知識は必要だと思ってます。

急性の激痛による背部痛は非常に慎重になる必要があります。
心血管系(胸・腹部大動脈解離)や硬膜外血腫などは緊急性を要する背部痛に含まれます。

どちらも決して頻繁に起こるような疾患ではなく、硬膜外血腫は脊柱管内病変の約1%と頻度は低いです。
硬膜外血腫は脊柱管内病変のため、下肢麻痺を起こしやすいことから、この症状があれば鑑別疾患として考慮します。

化膿性脊椎炎は整形外科での勤務をしていれば、聞き覚えがあるかもしれません。
基本的には腰椎の発生が6割以上を占めますが、次いで胸椎に発症しやすくなります。
基礎疾患や易感染者(高齢者など)では起こりやすくなるといわれます。

硬膜動静脈瘻は誤診が多い疾患だといわれており、脊柱管狭窄症と似たような症状を呈しやすくなります。

セラピストの中にはこういった、肩こりや背部痛を訴え、それに対して介入する方もいると思います。
そういった場合に、こういった知識もリスク管理として必要になってきますね。

今回はここまで、それでは!

参考文献

  1. 高岸憲二ほか:肩こりに関するプロジェクト研究(平成16−18年).日整会誌.82:901-911,2008.

 

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佐川 修平

佐川 修平

整形分野で働く現役理学療法士。 カラダに対するキヅキを与えられるセラピストになるのが目標。ブログの他にも、一般向けにセミナーやイベントなどを通じて情報発信中。

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