こんにちは!
sagawaです!
今回は変形性膝関節症の痛みについて解説していきたいと思います!
変形性膝関節症は整形外科で働いている人なら、お馴染みの疾患ですよね。
このお馴染みの疾患ですが、レントゲンなどの所見と訴えている痛みが一致しない事が多い事で有名です。
ちなみにこれは他の関節部位でも同様ですが、今回は膝関節について着目していきます!
変形性膝関節症の疼痛の原因

まずは変形性膝関節症の定義について再確認しておきましょう!
変形性膝関節症は、関節軟骨の進行性の変性病変を主体とした骨の変形性変化として定義される。
すなわち、非炎症生で、進行性の可動関節、とくに荷重関節を侵す疾患で、病理学的には関節軟骨の変性・摩耗による荒廃と、関節縁の骨新生がみられ、摩耗相と増殖相が混在している。
軟骨に主体を置いていますが、みなさんご存知の通り、軟骨には神経は存在していません。
ですが、軟骨も痛みに全く関与していない訳ではありません。
軟骨が破壊されると、蛋白分解酵素(サイトカイン)の産生により、二次性滑膜炎が生じることになります。これらの物質は自由神経終末を通して疼痛を誘発させます。
なので軟骨は無関係という訳ではありません。
それでは、疼痛原因は一体なんなのでしょう?
◯膝OAの疼痛原因
- 罹患関節軟骨の骨髄内静脈のうっ血
- 関節包の骨棘など関節軟骨周辺の摩擦による滑膜炎
- 変形や拘縮に伴う関節周囲の筋腱付着部炎
(古賀、病態と保存療法、2-17、2008)
これらが疼痛の原因として多くみられるそうです。なるほどです。
骨髄!?って思われる方もいるかもしれません、、、
変形性膝関節症は軟骨がすり減ります。
軟骨の変性→亀裂→摩耗→剥離→骨組織の露出(あくまでも例として)の過程をとることが多いです。
そして、
- 骨棘の形成
- 軟骨下骨梁の微小骨折
- 骨嚢胞の形成
- 骨硬化
骨自体にも変化が起こる訳ですが、ここまでいくと骨組織内部の循環不全が生じてきます。阻血やうっ血により骨髄内圧の変動や骨内循環不全をきたし、骨髄内の自由神経終末に刺激を与えることになります。実際に、変形性膝関節症では骨髄内圧が上昇しており、骨切りなどで骨髄内圧を減少させることにより、疼痛の軽減を図ることもできるといわれます。血管周囲には自律神経も分布しており、これも痛みに関与しています。
なのでこれらに私たちが出来ることは、
- メカニカルストレスを軽減させること
- 筋腱付着部の滑走性を改善を図ること
これらが大事になってきます。
筋腱付着部に関しては、特に薄筋や縫工筋、半腱様筋などの付着部は重要になります。膝OA患者の60%にこの部位の圧痛が生じています。
それでは次に、疼痛の発生源は実際どこになるのかを解説します!
疼痛の発生源
◯膝OAの疼痛発生源
- 滑膜関節包(関節内痛)
- 線維性関節包と関節包靭帯(関節周囲痛)
- 大腿四頭筋などの膝周囲筋(関節支持軟部組織痛)
- 腱付着部や関節包付着部(骨膜痛、関節支持軟部組織痛)
(宗田、膝痛を知る、2-29、2007)
つまり、先ほどの上記の原因と合わせると、
- 関節内の発痛部位は骨髄・滑膜
- 関節外の発痛部位は関節包・靭帯・筋腱付着部
これらが主な発痛部位になります。
滑膜について
滑膜は関節において、
- 滑液の産生
- 関節液との物質交換
- 関節の潤滑
- 関節の安定化
などの作用を持ちます。そのほか、痛覚神経が数多く存在するため、膝OAとは深く関係しています。機械的刺激には感受性が低く、関節液の貯留のみでは関節重圧感のみですが、急激な内圧の変化で疼痛を感じます。
また、滑膜の部位によって滑膜炎の程度や疼痛の程度も変わってきます。特に膝関節の内側滑膜は他の部位よりも、疼痛の伝達物質であるSubstance Pを含む自由神経終末の発現頻度が高くなっています。なので膝の内側は膝関節運動などで疼痛を引き起こす可能性が高くなります。
さいごに
変形性膝関節症の痛みが骨髄由来とか、新人さんは驚くのではないかと思います。
疼痛の原因は複雑ですが、上記を踏まえて介入するとより広い視野で介入できるのではと思います!
もう一度言いますが、
- メカニカルストレスを軽減させること
- 筋腱付着部の滑走性を改善を図ること
これが、まず私たちができることだと思います!頑張りましょう!
それでは( *`ω´)

佐川 修平

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