こんにちは!
今日は、膝蓋骨脱臼の手術について書いていきます!
脱臼について
脱臼(dislocation)とは、関節を構成する骨の互いの位置関係がずれた状態を脱臼といいます。
脱臼には種類が合って、、
- 完全脱臼
- 亜脱臼、不完全脱臼
と、程度による分類があります。
完全脱臼は完全に関節面が接触していない、関節面に接触があれば亜脱臼となります。
他にも先天性脱臼などの時期的なものや、
外傷性や病的脱臼など、原因によって分類されたりもします。
他にも反復性や習慣性などもあります。
反復性と習慣性って何が違うのでしょう?
- 反復性;外傷により脱臼を起こすと、その後軽い外力でも簡単に脱臼するようになること
- 習慣性;外傷によるものではなく、関節包や靭帯が緩いために繰り返す脱臼
ややこしいですね!!
反復性は外傷が原因!
習慣性は外傷はなし!
と考えてください。
膝蓋骨脱臼について
膝蓋骨脱臼は、膝蓋骨が膝蓋大腿関節から逸脱した状態です。
膝蓋骨が膝屈曲に伴って、大腿骨外側顆の方へ偏位するものを亜脱臼、外側顆を乗り越えてしまったら完全脱臼になります。
原因として、
- 外傷
- 膝蓋骨、大腿骨の形態異常
- 内側広筋の筋力低下
- 外側広筋、大腿筋膜張筋のタイトネス
- 反張膝、弛緩性
- アライメント不良(X脚、扁平足)
- 膝蓋骨高位
などなどが挙げられます。
また、思春期の女性で頻度が多く、女性ホルモンと関節弛緩性との関係性も認められています。
また、外傷性による脱臼の場合、診断として、骨軟骨損傷を起こしていないことなどを確認します。
膝蓋骨脱臼のテストとして有名なのでは、apprehension signがあります。
陽性の場合は、膝蓋骨を外方へ徒手的に押し出すことによって、被験者の不安感や、膝蓋骨の不安定感を感じます。
非常に重要なテストです。
膝蓋骨脱臼の症状として挙げられるのは、、、
- 歩行時や階段などのgiving way(膝崩れ感)
- 膝の可動域制限
などなどがあります。
膝蓋骨脱臼の手術について
膝蓋骨脱臼は放置されると、膝蓋大腿関節症などの膝関節機能の低下が生じてしまうため、膝蓋骨軌道(patella tracking)を早期に改善する必要があります。
保存で、主に内側広筋の筋出力強化などで改善する場合ももちろんありますが、繰り返す脱臼は手術が適応となります。
他には、脱臼不安感テスト(apprehension test)で陽性所見を強く認めるもの、脛骨粗面の外方偏位や外反膝などによりQ-angleが増大した症例が手術適応です。
手術は大まかに、
- 脛骨粗面移行術
- 外側膝蓋支帯解離
- 内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)再建術
に分かれると思います。
この3つをまとめて行うこともあります!
脛骨粗面移行術は、その文字通り、脛骨粗面を内側に丸ごと移動させて、Q-angleを減少させるという術式です。
ただ骨をいじることになるため、骨端線が残存している若年者では適応外となることもあります。
外側膝蓋支帯解離は膝蓋骨を外側に引っ張る力を弱めるという目的で実施されます。
処置を行う場合に、術前には外側膝蓋支帯のタイトネスを評価しなくてはいけません。
medial patellar glide test;膝蓋骨の内側移動が膝蓋骨幅の1/4以下
passive patellar tilt test;膝蓋骨外縁が水平以上に持ち上がらない
上記テストが当てはまると、タイトネスがあると判断し、外側膝蓋支帯解離の適応となります。
陰性の場合でも全身の弛緩性がある場合は解離を行わないこともあります。これは理学療法士も知っておいた方がいいっすね。
内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)再建術は、ハムストリングスの一部を使用して再建されます。
膝蓋骨脱臼で同靭帯が損傷している場合、行われたりします。大腿骨に骨孔を開けてバンドを作成する手術方法です!
さいごに
膝蓋骨脱臼の手術は複数の方法を織り交ぜていることが多いので、しっかり確認する必要があります。
術後のスポーツ復帰は4ヶ月から6ヶ月といったとこでしょうか。
術後の理学療法は早期から広筋群の筋収縮が必要になります。
術式をしっかり理解した上で術後理学療法を展開していきたいですね。
それではー♪(´ε` )

佐川 修平

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